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花粉症に劇的治療法発見か?


2008年1月11日、数年かかる花粉症治療法より副作用が少なく、短期間で効果がみられるという、花粉症をより効果的に予防できる注射(注射を3回打つだけ)を開発したと、人口の35%、約140万人が花粉症といわれているスイスのチューリヒ大学病院の研究グループが医学専門誌「PNAS」上で発表しました。

現在広まっている過敏性を治す予防注射は皮膚に施しているのに対し、新たに開発した予防薬は免疫機能の中心にあるリンパ腺に注射するため、抗体が早く形成され、迅速で効果的だとされ、チューリヒ大学皮膚科のトマス・キュンディク教授(Thomas Kundig博士)を中心とした研究グループは、「リンパ節に直接アレルゲンを注入すると効果が著しく高まり、注入するアレルゲン用量を1/1,000分の未満に減らすことができ、アレルギー性の副作用も軽減できる」と述べ、リンパ節治療が従来の注射に比べて短期間で安全な治療法であると結論付けています。

研究では約160人の花粉症患者をランダムに2つのグループに分け、1つのグループには8週間にわたって3本の注射をリンパ腺に施し、もう1つのグループには3年間にわたり、54回の予防薬を注射した結果、以下の通りとなりました。


新たに開発したリンパ腺に注射したグループ(3回のリンパ腺への注射)

⇒1回目の注射で効果が現れ、花粉に対する敏感さが他のグループより10倍低くなり、3年後の花粉シーズンになっても、アレルギーの症状が目に見えて改善した。


従来の過敏治療のグループ(54回の予防薬)

⇒効果が測定できるまで1年かかったが、3年後にはリンパ腺に注射する新しい治療法と同等の効果が達成できた。ただ3年間に渡る長期治療グループの約半分の患者は、1回目の治療にも顔を見せず、残りの患者も6割しか治療を最後まで受け続けなかったという、長期治療ならではの問題点も浮き彫りになりました。


ちなみにこの新しい治療法は安全で副作用も少なく、従来の治療法より患者の不調の訴えも少なく、またリンパ節自体は肌のすぐ下にあり神経がないため、採血よりも痛みが少ないという利点もあるようです。

平成20年11月12日


これは花粉症患者にとっては非常に希望が持てるニュースです。確かに従来の治療では頻繁に注射を受けに病院に行かなくてはならないので、忙しい現代人がこの治療を受けて花粉症を治療するのは難しいですからね。日本でこのリンパ節治療がいつから始まるのか?期待したいですね。



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